翻訳本から学ぶ中国語

日曜日のちょっとした中国語「日本の本が中国語(繁体字)に翻訳されるとどうなる?」Vol.3

今回も引き続き「夢をかなえるゾウ」を読み進めていきます。
レッスン3「夢をかなえるゾウ」“募金する”
前回ガネーシャから成功する秘訣として「靴をみがく」事を教えてもらった主人公。早速実践してみたら、意外と気分が良くなることに気付いたけど、それで本当に人生成功できるのか?と考え始めた。
フレーズ1
そしてガネーシャにもっと効率の良いやり方は無いのかと尋ねたところ
P37「『秘訣を知りたい、いうことは、ようするに『楽』したいわけやん?』」

「想知道『祕訣』,簡單來說,就是你想『不勞而獲』吧?」

祕訣=秘訣
簡單=簡単
來說=言うと
就是=強調。
不勞而獲=成語です。「自分が働かず、他人の成果を手に入れる」という意味。つまり『楽』すること。
「それは『楽』して人生変えたり、『楽』して成功したいっちゅう『甘え』の裏返しやん?」

「那是『嬌生慣養』的習性使然,你想要『毫不費力』地改變人生,『輕而易舉』地成功吧?」

嬌生慣養=成語。「小さい頃から甘やかされて育つ」
習性=習性
使然=あることが原因でそうなる。”造成”も原因からそうなるという意味ですが、文法的に前文の原因が後文になります。つまり「A〜造成〜B」=Aが原因でBになる。しかしこの使然は文の一番最後に置きます。後文にはつながりません。
毫不=(副)少しも〜でない 毫不費力=少しも苦労しない
費力=苦労する
地=”的”ではなく”地”を使って成語を修飾しています。
輕而易舉=成語。簡単にできる。朝飯前。
ずばり本音を当てられてしまった主人公。
フレーズ2
ガネーシャから出された今回の成功の秘訣とはつまり「募金すること」。
ガネーシャは例えとして石油王「ジョン・ロックフェラー」がまだ成功する前から、収入の一割を寄付し続けた事を教えます。
P40「ええか?お金いうんはな、人を喜ばせて、幸せにした分だけもらうもんなんや」

「帶給人們多少喜悅和幸福,就會在金錢上得到對等的回報」

帶給=与える
人們=人
喜悅=楽しい、愉快
得到=得る
對等=対等な
回報=報い
「せやからお金持ちに『なる』んは、みんなをめっちゃ喜ばせたいて思てるやつやねん。」
「でも、お金持ちに『なりたい』やつは、やれ車が欲しいやの、うまいもんが食いたいやの、自分を喜ばせることばっかり考えとるやつやろ・・・」
耳が痛い言葉ですね。
フレーズ3
ちょっとひねくれた考え方をしてる主人公は
「でも、募金ってなんか偽善者っぽい感じがするんですよね」と反論する。
その言葉を聞いたガネーシャが、自分が成功するには世の中に貢献できるようにならないと、と諭す。
ここでガネーシャは松下幸之助の事を「幸ちゃん」と呼んで、
「幸ちゃんはなあ・・・『世の中から貧困を無くす』言うて、誰でも買えるような安い電化製品作ったんや。」

「小幸啊・・・小幸也說『要讓貧窮從世上消失』,要製造誰都買得起的便宜電氣產品。」

小幸=幸ちゃん
貧窮=貧困、貧富
世上=世界
消失=無くす
誰都=誰でも
買得起=買える
「偉大な仕事をする人間はな、マジで世の中よくしたいて純粋に思て生きてんねんで。」

「從事偉大志業的人,真的純粹只是一心活在想世界變得更好的念頭之中」

從事=(仕事に)従事する
志業=大きいことに対する志
純粹=純粋
一心=一心
念頭=考え、胸の内
活在~之中=〜を抱えて生きている
せやからその分、でっかいお金、流れこんでくんねん。お金だけやない。人から愛されたり、幸せで満たされたり、もういっぱいええもんが流れてくんねん。
この話を聞いた主人公はとりあえず、コンビニのレジの横にある募金箱にお金を入れることにしてみた。
今回、ガネーシャの言葉を聞いて僕はすぐに「黄先生」の事を思い出しました。黄先生は僕と今付き合っている彼女を紹介してくれた人です。気功を使って患者さんの病状を探り、漢方薬を処方しているのですが、黄先生は「治療費」を一切受け取りません。しかも毎月台湾を一周して自分の助けを必要としている患者さんを診て回っているのです。なので黄先生は皆から頼りにされています。助けてもらった人が知り合いを紹介して、またその人が困っている人を紹介する。なので先生の携帯はいつも鳴りっぱなし。先生を中心に人を助ける輪が自然と出来上がっているんですね。
人は一人では生きていけないので、必ず誰かに助けてもらう必要があります。そして助けてもらった人がまた違う人を助けて社会が回っているのです。そういう事を僕は台湾に来て目の当たりにしました。そして僕もその輪に入りたいと思って色々試しています。その一つがこのブログなんです。
ちょっと固い話になってしまいましたが、ガネーシャの話もそういう事を言っているんですね。とても良い話なので中国語と関連づけてこういう記事を書きました。まだまだガネーシャの話は続きます。またご一緒に勉強しましょう。
それでは良い週末を。
レッスン2 “靴をみがく”
レッスン1 プロローグ
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