今回も僕が愛読している「夢をかなえるゾウ」を読んでいきます。ガネーシャは今回どんな課題を出してくれるのでしょうか。
ガネーシャ、以後=ガ「ほら、ワシ、人の心読めるやん?まあいつも読んどると大変やから気が向いた時だけにしとるけどな。人が何考えとるか見ると、まあひどいで」
主人公、以後=主「どういうことを考えているんですか?」
ガ「まあ、ほとんどが自分のことやな。もっといえば、自分の欲がどうなっとるかっちゅうことやわ」
主「自分の欲ですか?」
ガ「せや。『腹減った』とか『寒い』とか『やりたくない』とか」
主「なるほど」
ガ「そんで、人と話してる時もたいがい考えているのは自分のことやで。『この人、俺のことどない思てんやろ』『俺、ナメられてへんか?』『うわ、緊張してきた』そんなことばっかやん」
主「確かに、自分のことを中心に考えている気がします」
ガ「それがワシに言わせたら『自分にベクトル向きすぎ』ちゅうことになるんや。もっとふだんから他人を見とかんと。他人をよう観察して、この人はどういう特徴があって、どういう才能があって、どういう癖があって、どういう人なんやろてずっとそのことを見とかんと」
『自分にベクトル向きすぎ』ちゅうことになるんや。もっとふだんから他人を見とかんと
『太過自以為是』,我們必須從平常多加觀察別人
太過=いきすぎ
自以為是=独りよがり
多加=多く、もっと
觀察=観察する
ガ「人の自尊心を満たす、人を喜ばす、人を気持よくさせる、それを自分らの知ってる言葉で『サービス』言うんやけど、たえず人を見続けとかんとサービスなんてでけへんやろ」
ガ「自分らは、自分にサービスすることばかり考えとるやろ。自分のエゴや欲を満たすことしか考えとらんやろ。でもな、もっと他人にサービスすること考えて、そのことを自分の喜びにしてかんとあかんで、。『人の欲を満たすこと=自分の欲を満たすこと』この方程式が体に染みこんでたら、あとはほっといても成功するで」
『人の欲を満たすこと=自分の欲を満たすこと』
『滿足別人的欲望=滿足自己的欲望』
滿足=満足
欲望=欲
ガ「人のええとこ見つけたらホメるんも大事やけど、それと一緒に・・・」
主「一緒に?」
ガ「盗めや」
主「盗む?」
ガ「そや。自分ら見てると、ホンマ人のマネするの下手やな。なんやあれ?プライドがそうさせてるん?でも成功してるやつ見てたら分かると思うけど、たいがいコピーするのがめちゃめちゃうまいで」
主「コピーですか?」
ガ「せや。ええか?こんなこといまさら言わんでも分かっとって当然なんやけど、成長するために一番効率いい方法はな、コピーや」
主「そういえば『すべての創造は何かの模倣だ』というの言葉を聞いたことがあります」
ガ「そうや。でもな、自分らはそういう言葉知ってんのに、びっくりするほどマネせんやろ」
主「うーん。あからさまにマネするのはちょっとどうかなと思います。恥ずかしいというか、何か気後れするんですよね」
ガ「それがもう『自分にベクトル向いとる』状態やっちゅうねん。なんでマネすると気後れするんや?なんでマネすると恥ずかしいんや?それは、自分らの勝手なプライドやろ」
ガ「だいたい、『何のためにマネするのか、何のために模倣するのか』そのことを考えたことあんのんか?」
主「それは・・・良い結果を出すためですか?」
ガ「まあそう言うこともできるわな。でもな、その結果いうんは、自分のためでもあるけど、同時にお客さんのためでもあるんやろ。ええか、こう考えてみい。マネするんはな、お客さんを喜ばせるためなんや。人を喜ばせるという目的に照準が合うてたら、人のマネすることに恥ずかしさなんか感じひんのや。いや、好き勝手パクってええってことやないで。たとえば同業者のやってることマネさせてもらうんやったら、それなりに筋通さないかんこともあるやろ。でもな。早う成長して、早う技術覚えて、もっと多くの人をもっと喜ばせたいいう思い、それが何より大切なんや。分かるか?」
早う成長して、早う技術覚えて、もっと多くの人をもっと喜ばせたいいう思い、それが何より大切なんや
想要快點成長,快點學會技術,討更多人歡心,這種想法才是最重要的
快點=早く
學會=会得する
討,歡心=人を喜ばせる
ガ「モーツァルトくん知ってるやろ」
ガ「彼かてマネの達人やったんやで」
主「ええ!?そうだったんですか?」
ガ「そや。同じ世代の作曲家を研究したりマネするんで有名やったんやで。けどモーツァルトくんの演奏聞いて、誰もパクリや思わへんのや」
主「それはなぜですか?」
ガ「そんなもん、モーツァルトくんの曲が圧倒的に素晴らしかったからに決まっとるやんか。つまり、それだけ聞く人を喜ばせたってことや」
主「なるほど」
ガ「芸術の世界だけやない。実業の世界でも同じやで。ウォルマートの創業者サム・ウォルトンくんは自分の店にいるよりライバル店にいる時間の方が長かったて言われるくらい研究熱心やったんや。ウォルトンくんは『自分のやったことの大半は他人の模範だ』と公言しとるで。あとはアップルのスティーブ・ジョブズくんかて、側近の人間から『彼は人のアイデアを盗む天才だ』って呼ばれてんねん。それをセコいとか卑怯とか、そういうレベルで見るんは、単純に上っ面しか見てへん小さい人間やねん。もっとお客さんのこと見んと。ええか?お客さんのために、模範するんやで。分かったか?」
お客さんのために、模範するんやで
要為了客人而模仿
為了=〜のために
模仿=真似をする
主「は、はい」
ガ「よし、じゃあ今日の課題いくで。『人の長所を盗む』や。会う人の長所を見つけて、それを自分のモノにしろや」
●まとめ
誰しも初めからうまくいくことはできません。まずは身近な人の真似をしてその技術ややり方を勉強するのが良いと思います。
僕は大学を卒業してスーパーに就職しました。配属したのは「生鮮部」。先輩方は僕のような大学卒グループと高卒してすぐに包丁を手にした職人さんグループに分かれていました。組織としてのやり方は大卒グループの先輩達から学び、魚をさばいて売る技術は職人さんグループから学びました。職人さんは手取り足取りと教えてくれません。職人さんの後ろ姿から切り方を見てはその動きを真似していました。そうして来る日も来る日も同じ作業をしてようやく「コツ」を掴んだことを今でも覚えています。包丁を置いてずいぶん時間が経ちましたが、新しいことを始める時はまずは自分のお手本になる人を見つけ、その動きを観察することから始めています。
みなさんそれでは良い週末を。
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レッスン11 “身近で一番大事な人を喜ばせる”
レッスン10 “運が良いと口に出して言う”
レッスン9 “決めたことを続けるための環境を作る”
レッスン8 “一日何かをやめてみる”
レッスン7 “まっすぐ帰宅する”
レッスン6 “会った人を笑わせる”
レッスン5 “人が欲しがっているものを先取りする”
レッスン4 “食事を腹八分におさえる”
レッスン3 “募金する”
レッスン2 “靴をみがく”
レッスン1 プロローグ
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日曜日のちょっとした中国語「夢をかなえるゾウ」Vol.12“人の長所を盗む”