今日も「夢をかなえるゾウ」を読み進めていきます。今日の課題は「求人雑誌を読む」。
インドの神様ガネーシャは主人公に他の仕事をさせようとします。その意味は?・・・・
ガネーシャ、以下=ガ「自分に新しい仕事やらそう思たんは、ワシが働きたくないだけやないんや。お前さんのためを思ってそうしとんのやで」
ガ「実は、自分のキャリア、まあそれは自分だけやなしに、日本人のキャリアに言えることやけど、そこには致命的な欠陥があるんや」
主人公、以下=主「致命的な欠陥?
ガ「自分は今までいくつの仕事経験した?」
主「・・・今の仕事だけですけど」
ガ「そうやな。大学出てから今の会社に就職して、そのまま働いとるわな」
主「はい」
ガ「じゃあ大学におる間は、何しとった?」
主「大学ですか・・・?それはサークル活動したり、いろいろと」
ガ「要するに遊んどったわけやな?」
主「遊んでいたわけでは・・・一応授業にも出てましたけど」
ガ「けど、今になっては、完全に無意味やんな?」
主「そう言われると、まあ今の仕事には大学の勉強はほとんど役に立ってませんけど。でもそれがなんなんですか」
ガ「まあ聞けや。ええか?日本のほとんどの大学生は、なーんにも仕事を経験せんと、そのまま社会に放り込まれるわ。自分のやりたい仕事はなんも分からんのに、なんとなく名前のある企業を受けるわ。でも、会社の面接ではまるでやりたいことがあるかのように話すやろ」
主「そうですね。面接では受かるために自分を演出したりします。そのやり方を教えてくれる本や講演なんてのもあるくらいです。」
ガ「せやろ。でもな、面接を受けとる時の自分らは『やりたい仕事』なんて、なんも分かってないやん。そもそも働いたことなんてほとんど」ないやんか。やったことがあるんは、金欲しさにやるバイトくらいやろ。そんなんで、仕事の本質が分かるわけないやん。だから大学時代に『やりたい仕事』見つけるなんて無理な話やろ?」
そんなんで、仕事の本質が分かるわけないやん。
打那麼一點工,是不可能了解工作的本質的
※前文がバイト=「打工」の事を言っているので、打那麼一點工=バイトをちょっとしただけで
了解=分かる、理解する
工作=仕事
主「まあ学生の中には、やりたい仕事を見つけてる人もいるかもしれませんが、大半の学生は見つけられませんね」
ガ「けど周囲の人からバカにされたくないから、ナメられたないから、それなりに名のある企業に入って、上司から『これこれ!』言われて、そうやって命令されたことをこなしてこなして今まで来とるんやろ」
主「はい」
ガ「そんなん、無理やりやらされとる小学生やないか」
主「まあ否定はできませんけど・・・」
ガ「小学生の時の自分思い出してみい。自分が一番力発揮できとったの、嫌々やる宿題やったか?ちゃうやろ。カブトムシどうやって捕るとか、ドッヂボールやったりゲームやったり、そういう時に脳みそフル回転やったろ」
主「確かに休み時間には、一番集中していました」
ガ「ええか?自分がでっかい仕事しよう思たら、成功しよう思たら、あのカブトムシ捕る時の感覚が仕事の中に少しでもないとあかんで。自分の持っている能力100パーセント発揮して、やっと人より優れた仕事できんのに、嫌々やっとったら絶対小っさい仕事しかでけへんよ。こんなもんワシがわざわざ言わんでも普通に考えたらそうやろ。あ、そうや。カブトムシの話でちょうど思い出したけどな、ダーウィンでおるやろ」
嫌々やっとったら絶対小っさい仕事しかでけへんよ
要是做得不情不願,絕對只能做微不足道的工作
要是=もしも
不情不願=やりたくないことをやる
只能=〜しかできない
微不足道=些細なこと、本当に小さい事
主「ダーウィンって進化論で有名な、あのダーウィンですか?」
ガ「そうや。あいつ、カブトムシ捕まえるの好きでな。珍しいカブトムシ二匹捕まえて、それを右手と左手に持っとったんや。そしたら目の前に、さらに珍しいカブトムシ現れてん」
ガ「あいつ、どうしてもそのカブトムシ持っていきたくて、でも右手も左手もカブト持ってるから手がふさがっとるやろ。どうしたと思う?」
ガ「カブトムシ、口に入れたんや」
主「マジすか?」
ガ「マジやねん。そしたら変な液体出てきて、めっちゃ苦かったんやて。そんで驚いて全部のカブト逃がしてまいよったんねん。」
ガ「まあでも、そんなんやねん。でっかい仕事残すやつらって、みんなそんなんやねんで。小学生気分でワクワクしながらする作業をそのまま仕事にしてまいよる。だからずっと集中できるし、楽しいし、それってハタから見たら、えらい頑張ってるように見えるかも分からんけど、全然ちゃうねん。まあ確かに大変なこともあるやろうけど、基本的には楽しくやってるだけやねん」
主「なるほど・・・。でも、それってやっぱり限られた一部の人じゃないですか?世の中の人全員が昆虫を研究して生きていくわけにもいきませんし」
ガ「アホか。みんな『あの人たちは特別だ』そうやって自分に言い聞かせて、結局やらされ仕事に埋没してまいよるんや。いや、ええんやで。それは別に悪い事やあれへん。やりたくないことやる人も社会には必要やねん。でも、自分、成功したいんやろ。お金持ちになって有名になりたいんやろ。だったら、ホンマ自分がワクワクできて自分の持ってる力一番発揮てきる仕事、探さんといかんねん。そんなもん、死ぬ気で探さんといかんねん。自分が『これや!』って思える仕事見つけたら、あとはそれやるだけやん。ひたすら楽しみながら頑張るだけやん。でも、99パーセントのやつらが、『これや!』に出会えてへんねん。ここまで言うたら、もう、それが何であるかは分かるやろ?」
自分がワクワクできて自分の持ってる力一番発揮てきる仕事、探さんといかんねん
就得找出能讓你樂在其中,最能發揮實力的工作
得=〜しないといけない
找出=探し出す
樂在其中=その環境を楽しんでいる
主「それは・・・大学出て、仕事のことを知らないのに就職して、そのままだからですよね」
ガ「分かってるやん。自分の『これや!』て思える仕事見つけるまで、もう他のもんかなぐり捨ててでも、探し続けなあかんねん。収入が不安定とか、恋人や親が反対するとか、そんな悠長なこと言ってる場合ちゃうで。仕事まちがえたら、それこそ一生棒に振ることになるんやで」
仕事まちがえたら、それこそ一生棒に振ることになるんやで
要是選錯工作,那才是一輩子撿角
選錯=選び間違える
才是=前文の状態から引き起こす事
一輩子=一生
撿角=(台湾語の表現)陽の目が当たらない、役に立たない
主「一生棒に振る・・・」
ガ「そやで。せやから、自分みたいなんはーーー特に、大学卒業してすぐに就職した会社にずっとおって、でも自分がいるべき場所はここやない、みたいに思てるやつは、本気で他の仕事の可能性を考えなあかんねん。それは『こっちの方が収入がいい』とか『あの会社の方がブランドがある』とかそんなレベルで考えたらあかんよ。自分の能力がいちばん発揮される職種を選ぶんやで。それが見つかるまでは、絶対探すのやめたらあかん。あきらめんかったら、絶対みつかるから」
主「絶対見つかるんですか?」
ガ「そや。これはもう絶対やねん。自分、ラーメンは何味が好き?」
主「ラ、ラーメンですか?」
ガ「ええから答えろや。ラーメンは何味が一番好きや?」
主「僕はとんこつ味です」
ガ「お、ワシと一緒やな。で、質問やけど、なんで自分はとんこつ味が一番好きかて分かるんやろな?」
主「それは、他の味と比べたらとんこつがおいしかったからです」
ガ「せやろ。つまり『ラーメンの他の味を食べた』から分かんねん。最初とんこつ食べて『そうでもないな』思っても、その後しょう油味食べたら、『やっぱとんこつやな』って思う場合もあるっちゅうことやねん。つまりは『経験』や。全部経験しとるから、選べんねん。自分にどれが向いているか分かんねん。でも、自分ら、一番大事な『仕事』に関しては、全然経験してへんやないか。生まれてから死ぬまで、ずっと同じ味のラーメンしか食べてへんやん。ええか、ラーメンにはな、塩味もあるんやで!味噌味だってあるんや!とんこつしょう油、いうのもあるんや!とんこつしょう油背脂や!麺硬めで!卵二つ入れてや!」
気付いたら僕はキッチンに立ってラーメンを作らされていた・・・。
最後は見事に主人公にラーメンを作らせていましたが、ガネーシャの言っていることは理にかなってます。
人は経験を増やすことで選択肢が増えていきます。その中から自分に合った生き方や仕事をするために人は時間をかけて色々な事を体験していくのでしょう。また出会った人の話や読んだ本の中からもまた違う経験を聞いたり、読んだりすることもできます。始めから成功することは不可能で幾多の失敗を重ねて少しずつ軌道修正をして、自分のライフスタイル(+仕事)を構築していき、最後に楽しく笑って過ごせるような生活を送れるようにしていきたいですね。
それでは皆さん良い週末を!
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