翻訳本から学ぶ中国語

「中秋節」:留学中に使用した教科書から台湾の風習を勉強する

毎週日曜日はちょっとした中国語を勉強していますが、今回は趣向を変えていきたいと思います。
台湾では来週の木曜日(9/19)が「中秋節」です。旧暦で8月15日にあたります。日本でも「中秋の名月」と言われていますね。
今回は昔、台中にある東海大学で留学していた時の教科書を使って「中秋節」とはどんな日なのかを勉強していきたいと思います。

留学して1年が経ち、中国語にもそろそろ慣れてきた頃にこの教科書を使って勉強していました。教科書の内容は台湾の文化や風習をテーマにしていて、台湾で生活する中で実際役に立った素晴らしい内容でした。
それでは読み進めていきましょう。
第十六課「中秋賞月」
按照古人的說法,四季的特徵是「春生,夏長,秋收,冬藏」。秋天是收獲的季節,也是人們的歡欣的日子。從春天到秋天,農人在田裡辛辛苦苦的工作了大半年,忍受著寒風烈日,好不容易盼到收成了,看著田裡的稻穀,枝頭的果實,真是說不出的高興。
16課「中秋の名月を愉しむ」
昔の人の言葉を借りると四季の特徴とは「春に生まれ、夏に育ち、秋に刈り、冬に蓄える」。秋は収穫の季節、また人々が歓喜する季節です。農民は春から秋にかけて、毎日畑に出て暑さ寒さにも耐えながら作業をします。そして秋を迎え、収穫の喜びを得るのです。田圃にお米が実り、枝には果実が実ります。それを見た農民達は言葉に表せない喜びを感じるのです。
秋風吹走了炎熱的夏天,天高氣爽,空中沒有一絲浮雲,人的心情格外開朗。到了八月十五日中秋節晚上,人們在賞月的時候,會覺得月亮特別圓,特別亮,所以俗語說:「月到中秋分外明」。
毎年この季節になると秋風が灼熱の夏を吹き飛ばし、天高い空には一片の雲もない青空が広がります。それを見ると人々は自然と心が弾みます。8月15日中秋節当日の夜、人々は月見を愉しみます。その時誰もがこう思うでしょう、今日の月は格別丸く、そして格別明るいと。中国の諺にこういう言葉があります。「月は中秋を迎える時が一番明るい」。

看到天上的月亮又大又圓,人們就做出圓圓的月餅,作為中秋節特有的食物。各省的中秋月餅,做法都不一樣,各有特殊的風味。月餅是圓的,也象徵團圓的意思。中秋節晚上,月亮出來以後,每家主婦都率領家中的婦女,用月餅和水果來祭月神,可是男人不許參加,因為月神是女神。等到祭完了月神,主婦就把那個最大的月餅用刀切開,全家分吃,家裡有幾個人,就切成幾分,如果有一個人不在家,就把那一份替他收起來,等他回來再吃。
夜空に浮かぶ月は大きく、とても丸い。そして人々は丸い月餅を作ります。月餅は中秋節を代表する特別な食べ物なのです。この月餅は各地方で作り方が異なり、味も違います。月餅の丸さは家族”円”満を表しています。中秋節の夜、各家では女達が集まり月餅や果物を用意して月の神様にお祈りをします。なぜ女性だけなのでしょうか?それは月の神様が女性の神様なので男性は参加することができません。お祈りが終わると女達は一番大きい月餅を家族の人数分に切って分けます。もし家族の誰かが家にいない場合はその人の分を残しておいて、家に帰ってきた時に食べるようにするのです。

中國有這樣一個關於月亮的傳說:古時候,有一個國王,名叫后羿,他性情殘暴,生活奢侈,一點兒也不體諒人民的疾苦。他從一位女神哪裡得到一種仙藥,吃下去就可以長生不老。后羿非常高興,但是老百姓聽到這個消息,卻很失望,因為一位殘暴的君主如果長生不老,他們就永遠沒有好日子過了。后羿的妃子嫦娥,天性善良,她為了厭棄暴政,替人民爭取自由,就偷吃了后羿的仙藥。她吃下仙藥之後,馬上身輕如燕,不由自主地飛到月宮裡面,永遠住在哪裡。我們在中秋節晚上,朝著圓圓的月亮望去,似乎隱隱約約地看見一位衣袂飄飄的古典美人,那就是嫦娥。
中国では月にまつわるこんなお話があります。その昔、中国に1人の王様がいました。王の名は后羿。性格は残酷で思いやりがなく、贅沢を好み、国民の生活はますます苦しくなるばかりでした。ある日、后羿は女神から仙薬を手に入れます。女神から与えられたその仙薬は飲めば誰でも不老不死になるというものでした。后羿はその仙薬の効果を知りとても喜びました。しかしその話を聞いた民衆は皆失望に陥りました。もし残酷な暴君が永遠の命を手に入れたら、民衆達の暮らしは永遠に良くなることは無いからです。后羿には嫦娥という名の妃がいました。嫦娥は后羿とは違い慈悲深い性格だったので、この事態を知りある行動に出ます。それは暴政を止め、民衆に変わり自由を手に入れるために彼女はこっそりとその仙薬を飲んでしまいました。仙薬の効き目なのでしょうか、嫦娥の体は急に軽くなり、あっという間に天まで登り、月まで飛んでしまったのです。その後、嫦娥は月から離れることはありませんでした。
私達は中秋節になると丸くなった月を見ながら、月面に浮かび上がった、服をなびかせた女性の姿を見ることができます。それは遠く昔にある国の危機を救った1人の女性の形なのです。その名は嫦娥。中国では誰もが知る慈悲深いお妃様の名前なのです。

日本では月の中にウサギがいるという逸話がありますよね。僕はこの話を勉強した後、月を見る時に「ウサギ」と「嫦娥」が仲良く一緒に暮らしているのではないのだろうかと思っているのです。日本から見ても、台湾から見ても月は同じ形をしています。文化の違いはあれど月見を楽しむ喜びを我々は共有しているのです。ここは両方の文化を取り入れて月を楽しもうではありませんか。9月19日の夜、皆さんの目には月はどのように映るのでしょうか。可愛らしいウサギちゃんでしょうか、それとも優雅に服をなびかせている1人の女性なのでしょうか?

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