帰国日記

面影

今日腰の治療のためにいつものクリニックへ。中に入ると一組の家族連れがいて一人の女性が目に映った。すぐに彼女のフルネームが頭の中に出てきた。彼女は小学校と中学校の時の同級生Hさんだと一目でわかった。
僕は診察券を受付に出して2階にある診察室に行き、先生に呼ばれるのを待っていた。しばらくするとHさん一家(HさんとHさんのお母さんとお子さん)が上がってきた。
このクリニックのシステムは変わっていて、診察室の待合所にあるメモに自分の名前を書いて看護士さんに紙を渡さなくてはいけない。Hさんたちはおそらく初めてきたのだろう入ってきてすぐに椅子に座ってしまった。
僕は彼女たちにここのシステムの説明をした。そうしたらHさんが「もしかして大沼君?」と言ってきたので僕も「Hさんでしょ」と答えた。
Hさんは当時(小学・中学生時)顔立ちが日本人ぽくなくてしかも名前がとても変わっていたのでよく覚えている。でも直接会話した記憶がなかったからHさんが僕のことを覚えているのが以外だった。
僕が呼ばれるまでの10分弱の時間、お互いの身の内についてなど色々と話ができた。なんかとても懐かしい気分に浸ることができた。地元にいるとこういう事もあるんだなと。
僕は彼女を見てすぐにわかったし、Hさんも僕を見てすぐにわかったらしい。地元では悪いことはできない。人間の顔って基本的に変わらないんだなあと思った。
相変わらず背が高いと言われた。世の中には背の高い人がたくさんいるけど体のバランスがいい背の高さだと言ってくれた。そんなこと初めて言われた。
Hさんはすでに苗字が変わっていて隣町で暮らしているという。愛嬌がいいのは昔から変わってない。やはりいい女はとっくに結婚しているよな・・・。
なんか嬉しいような寂しいような、なんとも表現しようのない気分が僕の心を包んでいた。
散歩2

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