翻訳本から学ぶ中国語

「日本の本が中国語(繁体字)に翻訳されるとどうなる?」−夢をかなえるゾウ−

レッスン1「夢をかなえるゾウ」プロローグ
ブログで日本語と中国語の二つの言語で投稿を始めてはや10ヶ月。
現在1週間に3つの記事を投稿しています。
我ながらよく続いているなと思う反面、中国語のレベルは上達しているのだろうかと悩む日々。
そこで少しでも中国語の文章力を上げたいと思い、自分の好きな本が台湾で中国語に翻訳されているので、その本を読んでいます。
その本の名前は「夢をかなえるゾウ」という本です。

現在170万部を超えるベストセラー本で、ドラマや舞台化にもなった本です。ジャンル的には「自己啓発本」になるんですが、なぜかインドの神様「ガネーシャ」が出てきて関西弁を話す設定になっていてちょっとしたファンタジーにもなっています。
文章はとても分かりやすく、何を伝えたいのかが読んでいて理解しやすい本です。
繁体字中国語版の名前は「夢象成真」というタイトルが付けれられています。

元々「夢想成真」という”夢が叶う”という単語に、ゾウのお話なので”想”と”象”の発音が同じことから、字をもじって「夢象成真」というタイトルにしているんですね。
こうして日々、日本語版と中国語版を照らし合わせながら読み進めているんですが、せっかく勉強しているので「ちょっと心に残ったフレーズ」を日本語と中国語で紹介したいと思います。
「フレーズ1」
主人公の男性が初めてガネーシャと出会うシーン。
屈辱的な出来事があった次の日、二日酔いの主人公がなかなか目が覚めないのを見て、業を煮やしたガネーシャの一言。
P7「自分、そんなことやから、『夢』を現実にでけへんのやで」

中国語(繁体字)だと
「你就是過得渾渾噩噩,才無法實現『夢想』」

ここではグダグダになった主人公に「渾渾噩噩」という成語を使用して「物事が分かってない」とたしなめてます。その後「才」を使って前文(理由)を受けて”だから”、無法實現=”夢を実現できない”のだと言っているのです。
 
「フレーズ2」
屈辱を味わった主人公。酔った勢いでインド旅行の際に購入したガネーシャの人形に向かって叫んだ事をガネーシャに指摘される一言。
P10「号泣しながら言うてたやん、『変わりたい』て」

中国語(繁体字)だと
「你嚎啕大哭地說・・『我想改變』」

「嚎啕」は”大きい声で泣き叫ぶ”という意味です。その「嚎啕」に「大哭」を追加して”号泣”としています。
修飾助詞の「地」を使用して動詞「說」の前に置いて動詞を修飾しています。
 
「フレーズ3」
何度も変わろうと決心してもすぐに諦めてしまう主人公。そんな彼にガネーシャが口にした言葉。
P14「自分みたいに、いっつもぐだぐだしてて自分で決めたことも実行でけへんしょうもないヤツでも、できる感じにケアしたるから、その辺はワシにまかせとき」

中国語(繁体字)だと
「就算像你這種老是想東想西,連自己決定的事都實踐不了的傢伙,我也能照顧到做起事來有模有樣。這個部分就包在我身上」

「就算」が強調を表してます。
「像你」=”おまえみたいな”
「老是」=”いつも”
「想東想西」=”色々考えてばかり”で、
「連自己決定的事」=”自分で決めたこと”を「連」を使用して”さえも”(強調)
「實踐不了」の動詞+不了で”(実行)できない”
「傢伙」=”ヤツ”になります。
照顧=ケア
有模有樣=”そんな感じ”
這個部分=その辺
包在我身上=俺が面倒見る
と言っているんですね。直訳ではないですが、中国語の文章は原文に沿って翻訳されています。
以上、気になるフレーズを中国語版から抜粋してみました。また良い文章がありましたら定期的にこうやって書いていきたいと思います。
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